大豆由来の免疫促進ペプチドによる育毛剤の開発
1.顕在化ステージの目的
現在、育毛剤は多数販売されており、その作用メカニズムには血管拡張作用に基づくものや、男性ホルモン合成酵素阻害に基づくものがあるが、すべての脱毛症例に対して効果を示すものはなく、従来とは異なるメカニズムに基づく育毛促進剤の開発が望まれている。特に、経口投与が可能で、且つ、安全性の高い育毛剤を開発できれば、これまでにない育毛剤となりうる。一方、本申請のペプチドは原料が大豆であることから、安全であり、大豆油の絞り粕の有効利用としても意義がある。そこで、本育毛促進ペプチドの作用メカニズムを詳細に解明することにより、有効な脱毛症例を解明するとともに、経皮・経口投与のいずれでも使用可能な育毛剤の開発を目的とする。
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2.成果の概要(※研究実施者の完了報告書より抜粋)
○大学の研究成果
大豆タンパク質の酵素消化によって派生し、N 末端にMet 残基を有する2 種類の免疫促進ペプチドが、新生ラットの抗がん剤による脱毛を防ぐこと、および剃毛マウスの育毛促進作用を有することを見出してきたが、これらペプチドを生成させるための最適条件を解明し、工業的に得られた標品の有効性を確認した。また、抗脱毛作用の作用機構を検討し、円型脱毛症の原因物質である内因性ペプチドsubstance P が大豆タンパク質由来ペプチドの抗脱毛作用と拮抗することを見出し、大豆由来育毛促進ペプチドの適応症例を推定した。
○企業の研究成果
大豆タンパク質を微生物酵素およびトリプシンにより処理することにより得られた酵素消化物を、分画分子量3,000 の限外ろ過膜を透過させることにより、その活性成分を濃縮することに成功した。このようにして得られた標品1.5%を含有する飼料を2週間、剃毛マウスに投与したところ、育毛促進効果を示した。また、本酵素分解物の活性本体であるペプチド2%を含有するローションを2 週間塗布することにより、育毛促進作用を確認することができた。
3.総合所見
当初の目標に対して期待したほどの成果は得られなかった。これまでの育毛剤・抗脱毛剤とは作用メカニズムが全く異なる新しい脱毛治療薬として期待された。
しかし、報告書で記載されている動物実験の結果は統計学的に意味のあるレベルなのか理解できず、期待した成果が得られたとは言いがたい。実用化の可能性も低いと考えられる。
引用:平成19年度 産学共同シーズイノベーション化事業(顕在化ステージ)事後評価一覧
京都大学は日本サプリメント株式会社と共に「産学共同シーズイノベーション化事業」として、大豆由来の免疫促進ペプチドを有効成分とする、新しい作用機構による育毛剤の開発を行い、その研究結果を平成19年に報告書として以下のようにまとめています。結果、大豆由来の免疫促進ペプチドは「実用化への可能性は低い」と・・・。
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